天体のメソッド13話「はじまりのそらから」感想
13話「はじまりのそらから」
脚本:久弥直樹
絵コンテ:迫井政行
演出:迫井政行
作画監督:りぱ
乃々香は、汐音のおかげで、街に浮かんでいたノエルのことも、いつもそばで見守ってくれたノエルのことも全部夢ではなく、本当のことだったと思うことが出来ます。乃々香は、自分だけじゃなく、汐音が覚えていてくれてたことが分かっただけでも良かったと言います。
しかし、汐音は本当にそれでいいのかと尋ねます。
汐音「わたしのよく知っている乃々香っていう女の子は、一度こうしたいって決めたら、絶対に最後まで譲らないような、まっすぐで、素直で、そんな言葉にいつの間にかみんなの心が動かされていく…わたしの知っている友達はそういう女の子だったはずだけど。違った?」
乃々香「ありがとう、汐音」
汐音に背中を押され、乃々香は汐音に「もう一度天文台のみんなで集まりたい」と言います。
乃々香は柚季、こはるを、汐音は湊太を呼びに行き、桟橋に集合します。
湊太「汐音まで巻き込んで、今度はどうしたんだ」
乃々香「もう一度、天文台にみんなで集まろう。あのときみたいに」
湊太「またそれか。確かに俺たちは乃々香に言われて円盤を呼んだけど、円盤は来なかったんだ。ノエルなんて知るわけない!」
柚季「湊太…」
湊太「なあ、もういいだろう。ノエルなんて知らない。知らないはずなのに、無視できないんだよ」
こはる「わたしもそうだよ。乃々香の言葉が頭から離れない。知らない女の子の思い出をずっと探してるの。見つかるわけないのに、何度も何度も…」
乃々香「ごめんなさい。でもっ!」
柚季「もうこんなのいやっ!」
乃々香「柚季…」
柚季「分かってるの、ぽっかり何かが欠けてるってこと。こはるも、湊太だってそうでしょ?」
湊太「ああ」
柚季「大切なものを失くしたことは分かるのに、それがなんだったか思い出せない。それが悔しいの!」
汐音「安心して。みんな同じだってこと。柚季も、こはるも、湊太も、わたしも、乃々香も、きっと同じ思いでつながっている。7年前のあのときからずっと。もう一度、確かめないと。大切なものが、完全にわたしたちの中から消えてしまう前に。乃々香」
乃々香「うん。みんなで円盤を呼ぼう!」
5人は天文台へとやってきます。
乃々香「ノエルはわたしたちのニッコリが大好きだった。だから…」
柚季「なんか、照れくさいね」
湊太「そりゃな、俺だって…」
汐音「そう?柚季は人前で大胆なことを平気でやってたのに」
こはる「ふふっ。わたしも知りたいな。もう一人の柚季が何をしてたのか」
一同「ふふっ」
柚季「ノエルに会いたい!」
湊太「ああ!」
こはる「わたしも、ノエルちゃんに!」
汐音「ノエルともう一度…」
乃々香「ノエル、聞こえてる?みんなが会いたいって。それがわたしたちみんなの願い。やるよ!」
すると、どこからか一枚の花びらが舞い降りてきて、急に強い風が吹きます。
そして、汐音が掛けていた帽子が空に向かって飛ばされていきます。
5人が天文台から外に出ると、一面にひまわりの花が咲いていました。
汐音は乃々香の家に泊まらせてもらうことになります。
2人が乃々香の家に向かう途中、汐音は初めて二人が会ったベンチに座り、あの鼻歌を歌います。
乃々香も隣に座り、鼻歌を歌います。
乃々香は、幼い頃との母との約束を思い出します。
花織「乃々香、母さんと約束して。これから先、乃々香はいろいろな体験をして、成長していくの。そのなかには、悲しいことがあったり、辛いことがあったりするわ。でもね、そんなときこそ、そんなときだからこそ、ありったけの笑顔でニッコリ笑うの。そうすれば、どんなことでも乗り越えられるから」
乃々香「どんなことでも?」
花織「ええ。乃々香ならきっと」
乃々香「うん、約束」
乃々香「汐音」
汐音「どうしたの」
乃々香「子供の頃、ここで一人座ってる女の子を見かけたの。そのとき思ったの。絶対にこの子と友達になるんだって。友達になれなかったら、一生後悔するって。あの日、出会ったのがあなたでよかった」
汐音「ええ、わたしも」
その日の夜の出来事をダイジェストでお送りしています。
乃々香が朝起きると、父親から、汐音は北美市に用事があるといってだいぶ前に出かけたことを知らされます。
そして、乃々香は、父親が母親の椅子に座っていた子にリクエストされてオムライスを作ったことを聞きます。
乃々香は何かに気づき、家の外に飛び出していきます。
その朝、乃々香は、ノエルのことを忘れないようにと天文台で撮った動画を見ていました。
乃々香は、天文台のほうへと向かいます。
汐音は、北美市に北美高校の入学案内のパンフレットを取りに行っていたようです。
そこに、1枚のひまわりの花びらがどこからか降ってきます。
汐音が霧弥湖町にもどってくると、駅で母娘とすれ違います。
そして、「ずっと友達だよ」というノエルの声を聞きます。
汐音は目に涙を浮かべながら、「本当に迷惑」とつぶやきます。
湊太は、柚季が部屋で何かをしていることに気づきます。
柚季は、『円盤歓迎』という文字が書かれたプラカードを作っていたのでした。
これを見た湊太は、呆れて「まだ歓待のほうがマシだ」と言います。
そのとき、二人に「お手伝いする?」というノエルの声が聞こえます。
こはるは、キリゴンの看板入った亀裂を絆創膏で修理します。
「怪獣さんはずっと元気だよ」とつぶやくと、「よかった」というノエルの声が聞こえます。
柚季が外に飛び出すと、湊太が自転車に乗って柚季を待っていました。
こはるは、キリゴンに店番を任せて、「キリゴンの友達の迷子さん」を探しにいきます。
こはると柚季、湊太はノエルに会いに行きます。
乃々香は、動画を見ながら、天文台への道を進みます。
動画の終わりの「ノエル、あなたに会いたいの!」という自分の言葉に答えるように、「会えるよ」とつぶやきます。
そして、何かに気づいて横を見ると、雲から日が出て、ひまわり畑を照らしていく光景を目にします。
乃々香は、引き寄せられるようにひまわり畑を歩いて行き、いつの間にか走り出します。
乃々香が足を止めた場所には、柚季と湊太、こはる、汐音がいました。
突然強い風が吹くと、空から汐音の帽子が飛んできて、乃々香たちの近くに落ちます。
その帽子を拾い上げる手。
風に揺れる青い髪。
そこに現れたのは、ノエルでした。
乃々香は、「おかえり、おかえりノエル」と言葉をかけます。
ノエルは「ただいま」と言って、駆け寄ってきます。
そして、「おしまい」の文字。
天体のメソッド13話が終わりました!
すばらしい最終回でしたね!
ノエルが最後もどってきてくれてよかったです!
13話通して登場人物の心情が丁寧に描かれ、何気ないシーンにも意味があり、シナリオの構成も物語の核心部分を隠して徐々にそれが明らかになっていくというもので、何回も繰り返してみたいと思えたアニメでした。
また、QP:flapperさんの描く可愛らしいキャラクターが活き活きと動く様子は、見ていてぜんぜん飽きませんでした。
さらに、主題歌やイメージソング、BGMなど作品にとてもよくあっていて、各シーンを盛り上げるのに大きな役割を果たしていたと思います。
こんなにすばらしい作品をこの世に生み出してくれたスタッフ、キャストのみなさま、本当にありがとうございました。
そして、おつかれさまでした。
今後のご活躍を期待しています!